企業における役割分担
こんばんは、随分と前から日が開いてしまいました。
さて、今日は役割分担について話したいと思います。
落とし所は、自分の在り方ってどうですか?っていう問いかけになります。
役職と役割
皆さんご存知の通り、企業や組織では、役職や階級でやる事が違います。
よくあるピラミッド形式(ヒエラルキー)の縦軸ですね。
それとは別で、役割分担があります。
例えば同じ主任クラスでも、例えば海外調達と国内調達、といったように、ピラミッドの横軸です。
皆さんに質問ですが、今の日本、ピラミッド出来ていると思いますか?
そして、その三角形は綺麗な形ですか?
役割分担の話に入る前に、このピラミッドに人口をかけた場合の話をしたいと思います。
労働人口減少社会
人口減少社会に突入し始め、労働人口はここ10年も経たないうちに100万人は減っています。
また、20年後の2040年には労働人口は現在の半分近くなる、という統計も働き方改革の資料の中で経済産業省が出しています。
その元になっている値が内閣府が公開している出生率ですが、ここ数年の出生数は100万人余りくらいです、毎年。
1940〜50年代は260万人居ましたが、一度1955年前後に150万人、1972年前後に200万人と盛り返したものの、1980年代に入って150万人を切り、以降は減る一方です。
さて、1940〜50の世代はこの前定年や再雇用満了を迎えました。俗に言う団塊世代です。
1970年前後の増えた世代は今50代半ばですね、大手の職場には沢山います。
そして2040年頃には年間150万人の最後の砦だった人たちが続々とドロップアウトします。
そりゃ減りますよね、20年後に現在の生まれたばかりの赤ちゃん達100万人が就職する頃合いなんですが、かれこれ25年平均110万人程しかいないのに、その前の25年の平均は160万人近いんですもの。
簡単にくくるのは数式としては間違っていますが、ざっくり4000万人居た労働者が2750万人になると考えてみてください。
労働人口は減りますが、日本の人口は大して減りません、医療が発達するので。
そして、それによって税収では賄えなくなるのは政府は確実に把握していますし、その片鱗は既に年金をはじめとする社会保障問題でよく目にしているかと思います。
そして多かった世代は年齢が上がり、日本企業、特に大手は役職付きが増えます。
そして、若手の労働者は年々減ります。
つまり、ピラミッドは三角形ではなく、等辺五角形の形に変化していきます。
ピラミッド構造の修正
それを見据え、働き方改革などの一環で労働者の労働力をAIやロボットに変換していくという動きを推進しています。
使わざるを得ない時代になってきているわけです。
また、企業が稼ぐには沢山作って沢山売らなければいけませんが、労働者が減る以上、人頼みでは作る能力が下がっていきます。
そうなると、1人が作る量を増やす為に残業させますが、人はロボットではないので限界があり、過労死や自殺、うつ、といういたたまれない現象が増えています。
ブラック企業、と呼ばれる経営者は、自らただでさえ貴重な人材を自ら根絶やしにしてるわけです。
ホワイト企業にも当然母数が減ってしまうので人が入らず、経済は回らなくなります。
さて、役割分担に入るまで長くなりましたが、ここから役職と役割分担について話したいと思います。
縦の役割分担:役職の意味
まずは役職から。
組織においてピラミッドは必須構造です。
世の中には弱者と強者がいて、人間社会だけでなく動物の世界でもヒエラルキーは存在します。
面白いのは、物作りなどにおいても、重大なトラブル1の下に要注意が27はいて、その下に100の細かな予備軍的トラブルが存在する、というようにそこにもピラミッド構造は使われます。
- 経営層
トップは決定権を持ちます。
人間社会の面白い所は、トップの決定権が大き過ぎるが故に場合によっては一部を委任、と下に決定権を分配します。
俗にいう役員会がピラミッドの頂点数%です。
- 中間管理職
役員でない管理職、ミドルレンジとも呼ばれますがその範囲はあまり決定権を持ちません。物事の本質を見抜くためのふるいが主な役割です。
- 労働者
その下に労働者が居ますが、ここがアウトプットを出さなければ、ミドルレンジはふるいにかけられません。
ふるいにかけられなければ、役員会に見せるもの、外に出すものが用意できずにその組織は生産していない事になります。
逆にふるいにかけ過ぎて世の中に出ないままボツるものもたくさんあり、それが潜在的なニーズを持ってたのに、なんてこともあります。
つまり、労働者階級がアウトプットを出せないのであれば出せる仕組みを考えなければなりません。
その為に、労働者階級だけが考えて居てもピラミッドの形はヒエラルキーのトップである経営層や、そこから情報を貰える、または下を見る中間管理職でも上位しか知り得ません。
労働者階級は、効率よくアウトプットを出すことが大事です。
中間管理職は出させる仕組みを考えることと、ふるいにかけることが大事です。
経営層、役員会は中間管理職が正常にふるいにかけているか、出てきたものが投資するに値するか、を決定するのが役割です。
これが役職における構造ですが、年齢と労働人口の影響からミドルレンジ、つまりふるいが余りにも大きくなりすぎています。五角形になる、ということは、10gの砂糖をふるいにかけるのに、一気に200gを処理できるふるいを使うのと同じ事です。
横の役割分担:業務分担
では、横軸の役割分担はどうでしょうか?
アウトプットを出す労働者は、本来ひたすら求められた分だけアウトプットを出せばいいので、そこ同士で争いが起きるとすれば、それはただ余計な干渉をしているだけです。
最近はミドルレンジが増えすぎたのと、ミドルレンジ自身が自分がふるいである、という認識がなく、自らが労働者であろうとします。
そうすると、労働者とミドルレンジは待遇が違うので揉めます。
下の階層に手を出せば、当然待遇の違いから軋轢を生みます。
また、逆に下の階層から上の階層に手を出せば、ふるいとしての機能と権限を持ち合わせていないので、何も処理ができません。
もう1つのケースとしてはアウトプットの取り合い、労働者の取り合いです。
先ほど砂糖をふるいにかける話をしましたが、例え10gを一度に処理できる適切なふるいがあったとしても、日に10gしか作れない労働者に、違うふるいが2個も3個も用意されて、同じタイミングでどのふるいにも掛けたい、と言われても到底無理な話です。
自分の立ち位置
つまり、ヒエラルキー、ピラミッドの構造はどんな時であれ、綺麗な三角形であることが好ましく、全員が階級も役割分担も守っていてこそ、安定した組織運用が出来ます。
たまに凄い人がいますよね、天才と呼ばれる人達ですが、あの人達はその分野においてとてつもない努力をしてきた、または適性が高かったからその役割を担い、そういう人達は得てして組織では異例です。
組織内にいても、ヒエラルキーの枠外だったりします。
頭数に入れるのは枠を超えるという扱いを是とするトップの英断的判断あってこそです。
もちろん、その特性を活かす分には多くの人はその人の実績が凄すぎて、表立って反対できません。
自らの役割、役職をフルに活かせる方向に自分自身を持っていくことが、仕事をしやすくすると思います。
無論様々な議論はあるかと思いますが、役割役職に見合わない仕事をすると、必ず不満不平をそこら中に生む形となります。
それぞれが過ごしやすいように、自らの役割役職が何をしなければならないか、何が必要なのか、その役割役職が本当に妥当だと思うか、思えないならその役割役職を得る為に何が出来るか、を考えることで、自分の人生はいかようにも変わります。
まとめ
国という組織にとっては国民皆が労働者です。
内閣が役員会、議員・知事は中間管理職。
赤字経営の問題だらけの組織ですけどね。
その中で、自らの人生を考えた時、日本という国から脱サラしたい人は海外で自由に過ごします。
愛着心があったり、少なからず居残りたいという人は国内で居ることになります。
国は企業ではないので、横軸の役割分担が曖昧です。
その中での生き方、役割が自分の納得のいくものであれば、日々を過ごすことは大して重く考える必要は無くなるんじゃないでしょうか。
やりたい事があれば、やりたいようにやればいいと思います。
企業ではないですが国という組織なので、もちろん法律というルールは守る必要がありますけどね。